ウェディングブーケとウェディングドレスの相性
〜理想のウェディングブーケを手に入れる5つのポイント〜 point① 自分の好みを知る point② ドレスに合わせてみる point③ コンセプトに合わせてみる point④ シチュエーションに合わせてみる point⑤ 季節に合わせてみる まとめ(もしくは はじめに) 付録:カラーコーディネートの基礎知識 |
point② ドレスに合わせてみる
ドレスのシルエットとブーケの相性
花嫁さんが結婚式の準備で一番テンションの上がるもの。
それは、ウェディングドレス選びではないでしょうか?
ウェディングブーケを選ぶ際にはドレスとの相性を考慮に入れなければなりません。
ドレスはドレス・ブーケはブーケと別々に選んでいると、それぞれの良さを消してしまう恐れが出てきます。つまり、ここではトータルコーディネートが問われるわけです。
選ぶ順番としてはおそらくほとんどの花嫁さんが、ドレスが決まってから「さあ、次はブーケ!」という流れになると思うので、必然的に ”ブーケをドレスに合わせる” ということになります。
私が実際におこなっている花嫁さんとのブーケ相談では、ドレスの試着画像を必ず花嫁さんに見せていただきます。
ウェディングドレスには様々なデザインやカラーが存在しますが、ここではシルエットに着目して4つのカテゴリーに分類してみました。
- Aライン
- プリンセスライン
- マーメイドライン
- エンパイアライン
それでは、それぞれのシルエットに果たしてどのようなブーケが相性が良いのか見ていきましょう。
Aライン
【ドレス説明】
肩から裾にかけてアルファベットのAのように広がるシルエット。
デザインの種類が豊富で体型を選ばないことから人気の定番ライン。
【相性の良いブーケ】
Aラインに合うブーケの形は ”キャスケードブーケ” です。
キャスケードを日本語に直訳すると “小滝” 。つまりキャスケードブーケは、滝が流れ落ちるようなダイナミックな動きをあらわしたものです。
形は逆三角形を基本としているので、Aラインの三角形と調和がとりやすく、また、Aラインはウエストから下を長く見せるシルエットなので、キャスケードのラインがより生きてきます。
プリンセスライン
【ドレス説明】
その名の通りお姫様ドレス。ウエスト部分を境に上半身はぴったりスッキリ、スカート部分はインナーにパニエを着けてふんわりボリュームたっぷりのシルエット。小柄な女性が着用することが多い。別名:ベルライン。
【相性の良いブーケ】
プリンセスラインに合うブーケの形は ”ラウンドブーケ” ”ティアドロップブーケ” です。
プリンセスラインはドレス自体にボリュームがあるので、ブーケは相対的に小さめで可愛らしいデザインのものがフィットします。
マーメイドライン
【ドレス説明】
上半身から膝のあたりまで身体のラインに沿って密着したデザイン。その名が示す通り人魚がモチーフになっています。
プリンセスラインとは対極に位置し、印象はグッと大人っぽくなり背の高い方に映えるシルエット。
【相性の良いブーケ】
マーメイドラインに合うブーケの形は ”アームブーケ” ”スリムキャスケードブーケ” です。
定番はカラーのアームブーケ。
マーメイドラインといえばカラーのアームブーケ、アームブーケといえばマーメイドラインがすぐ思い浮かぶほど。曲線美を生かしたドレスにはスタイリッシュなブーケが合うでしょう。
エンパイアライン
【ドレス説明】
切り返しがウエストではなく胸下にあり、スカートがストンと直線的に伸びているシルエットのドレス。ギリシャ神話に登場する女神が着ているクラシックなデザインです。
【相性の良いブーケ】
エンパイアラインに合うブーケの形は ”クラッチブーケ” です 。
クラッチブーケとは花の茎を束ねたブーケのこと。
草花を無造作にまとめた ”ナチュラル” なスタイルが特徴です。
なかでも”シャンペトルブーケ” はトレンドの最先端。(2015年12月現在)
ドレスはこの4種類だけなの?
ウェディングドレスには上記4種類のほかにも、アンクル丈・ミニ丈・スレンダーラインなど様々なシルエットのものが存在します。
ただ、上記4種類を基本としておさえておけば、たとえば試着したスレンダーラインのドレスが、Aラインタイプなのかマーメイドタイプなのか等を見極めることで応用が利きます。まずは上記4種類のシルエットとブーケの相性を覚えておきましょう。
ドレスの特徴は他にもあるの?
ドレスの特徴には、シルエットの他にも重要なポイントがあります。
【生地】
それは ”生地” です。
ドレスの生地には、オーガンジー・タフタ・シフォン・サテン・レースなど、ざっと挙げただけでもこれだけの種類が存在します。
生地の質感は、可愛らしい・大人っぽい・シンプル・クラシックなど、花嫁さんのテイストに大きく影響をもたらしますので生地選びは重要です。
私は、この生地の質感とブーケの相関性には重点を置きます。
生地フェチなのか生地が好きなんです 笑
実家が繊維業を営んでいるので、幼少の頃からいろんな生地を間近に見てきたことが影響しているんだと思っています。
じつは花にも質感があります。
硬質なものから繊細なものまで、それは、オーガンジー・タフタ・シフォン・サテン・レースと同等の分類ができるほど、花それぞれが質感の特徴を持っています。
そのようなことから、私がブーケの花材選びをする際には、ドレス生地との相性を考えて選ぶよう心掛けています。
そして、ドレスの特徴をもうひとつ。
【モチーフ】
それは ”モチーフ” です。
ドレスのデザインの元になっているもの。
”海” をイメージしたもの・”バラ” をイメージしたもの・あるいは ”鳥” ! などなど。
たとえば ”海” をモチーフにしたドレス。
そのドレスには波をイメージしたフリルが強調されているとします。
その場合、私ならブーケにもフリル感のある花を用いたいと思うでしょう。
スイートピーやフリル咲きのバラ・トルコギキョウなどがまず頭に浮かんできます。
試しに、
海のイメージ ブーケ
フリル感 ブーケ
などで画像検索すると様々なブーケがでてきますよ。
ドレスのデザインにはそれぞれモチーフとなっている元ネタがあると思うので、そのモチーフに合わせた花材やデザインでブーケ選びをすると、トータルコーディネートとしてシックリくると思います。
和装のときはブーケは持たないの?
過去記事でウェディングブーケの由来をお話しした通りウェディングブーケは西洋の文化。
なので、基本的に和装のときはブーケは持ちません。
また、和装を試着した方は実感があると思いますが、和装は非常に重たいし手が塞がることが多いですよね。そういったことを踏まえると、なかなかブーケを持つゆとりがないのが実情ではないでしょうか?
それと、色打掛けなどはそれだけで十分煌びやかなので、装飾品を別途つける必要性がないともいえます。
ところがしかし、文化は発展していくものなんですね~
和装に合うブーケというものがあるんです。
”和装ボールブーケ”
手毬をかたどった和風のデザインが、和装花嫁さんの間で人気を呼んでいます。
このブーケは紐に指をかけて持つスタイルなので手が塞がっても大丈夫。
さきほど生地フェチをカミングアウトした私ですが、 “丸いものフェチ” でもあるんです 笑
というか、まん丸を作ることに人一倍妥協を許さないのです。
これまでもたくさんの和装ボールブーケを制作してきました。
これを読めばフラワーアーティスト和田浩一のボールブーケに対するこだわりと丸フェチぶりがわかる!和装ボールブーケの事例が満載!!
ただ、和装ボールブーケには2つの大きなデメリットがあります。
「重たい」
「和装に擦れて傷がつきやすい」
ということです。
ボールブーケは水分を含んだ球体を芯に使います。
そのことが、それでなくても重たい衣装を着ている花嫁さんにとって大きな負担となってしまうのです。
ところがしかし、技術は進歩していくものなんですね~
私は ”造花” に着目しました。
現代の造花の技術革新には目を見張るものがあります。
パッと見た限りでは生花なのか造花なのかの区別がつかないほど。
そして、造花の和装ボールブーケは、さきほどあげた2つの大きなデメリットを見事に解消してくれるだけでなく、新たに2つの大きなメリットをもたらしてくれます。
「生花のブーケより安い」
「記念にずっと残しておける」
コストパフォーマンスが非常に優れているのです。
「え?! これ造花なの?! フツーに家に飾りたい⤴︎」とお気に入りしてくれた造花の和装ボールブーケ
ハンドメイドマーケットプレイスcreemaさんが取り上げてくれた造花の和装ボールブーケ
まとめ
今回はウェディングドレスを基準にしたブーケ選び、+αとして和装に合うブーケのお話をしました。
杓子定規のように、「Aラインに合うブーケの形はコレ!」と言い切ってしまうことはややもすると危険で、ドレスもブーケもひとつひとつオリジナル性というものがあるはずです。
実際、このドレスは果たしてAラインなのかプリンセスラインなのか判断がつかないようなデザインもたくさん見てきましたし、ブーケにしても、バッグ型やハート型などバラエティーに富んだ形のものが数多く存在します。
私がこの章で強く伝えたいのは、”バランス” というキーワード。
大切なのは、ドレスとブーケの調和を図るということです。
(つづく)