ウェディングブーケをTPOで選ぶ
〜理想のウェディングブーケを手に入れる5つのポイント〜 point① 自分の好みを知る point② ドレスに合わせてみる point③ コンセプトに合わせてみる point④ シチュエーションに合わせてみる point⑤ 季節に合わせてみる まとめ(もしくは はじめに) 付録:カラーコーディネートの基礎知識 |
Q. チャペルで式を挙げるのですが、何か決まりごとってあるんですか?
A. 結婚式には披露宴も含めて様々なスタイルがあり、それぞれの ”シチュエーション” を考慮に入れることも 理想のウェディングブーケを手に入れる重要なポイントになります。
今回は、 ”シチュエーション” という角度からブーケ選びを検討していきましょう。
point④ シチュエーションに合わせてみる
目次
挙式別
まずは、挙式からです。
キリスト式
【キーワード】洋装・チャペル・教会
まずは、ご質問のあったチャペルからお話ししていきますね。
チャペルで行うということはキリスト式だと思いますが、厳格な教会だとキリスト教に入信していなければ式を挙げることができません。
ホテルや結婚式場に併設されたチャペルではそのようなことはありませんが、ここではキリスト式の基本に則って進めていくことにします。
キリスト式では、ブーケは白色のものを使用します。
これは、キリスト教の教えにある「白は “純潔” “無垢” をあらわす」ことに由来します。
決して、赤や黄色などの発色の強い色は使用いたしません。
中でも、聖母マリアを象徴する花として ”百合” は特別視されているんです。
キリスト式と百合の花の関係については私の過去記事↓に詳しく書いておりますのでぜひご覧ください。『フルール・ド・リス』の豆知識 も身につきますよ。
ウエディングブーケの選び方|白い百合の花はキリスト式にこそふさわしい

【キリスト式に合うブーケ選び】
白色のブーケ、百合のブーケ
💡 キリスト式の豆知識 Q. チャペルと教会って違うの? A. 教会には、”チャペル” と ”チャーチ” という2通りの呼び名があり、一般に開放されている建物を”チャペル”、信者が集う建物を”チャーチ” と区別することができます。 ついでに、神父と牧師の違いにも触れておくと、”チャペル” で式を取り仕切るのは牧師、”チャーチ” で式を取り仕切るのは神父、と覚えておくとわかりやすいです。 |
人前式
【キーワード】洋装・ガーデン・会場内
人前式には、キリスト式とは真逆で特に ”決まり” といったものはありません。
牧師さんがいない代わりに司会者が進行を務め、列席者全員に見届け人となってもらいます。
そんなことから、人前式では ”ブーケセレモニー” がよく行われています。
人前式を行う場所としては、ガーデンや披露宴会場の中、簡易チャペルで十字架を目隠しして行います。
”決まり” がないので、色合いも白に限定せずカラフルな色合いのブーケでもOKです。
【人前式に合うブーケ選び】
ブーケセレモニー、白以外のカラフルな色合いもOK
神前式・仏前式
【キーワード】和装・神社・寺院
ここでは和装になるのでブーケは持ちません。
式の際は ”白無垢&綿帽子(角隠し)” がフォーマルになります。お花の髪飾りなども必要としません。お花に関することでいうと、榊で作る ”玉串” を神前・仏前に奉納します。
【神前式・仏前式に合うブーケ選び】
なし
披露宴別
挙式の次は披露宴。ここでは、披露宴の形式を大きく3つに分けてみました。
親族・会社関係中心の披露宴
【キーワード】フォーマル
親族や会社上司への ”お披露目” が目的の披露宴の場合は、”自分たちらしさ” よりも、”体裁” に比重を置くことになるでしょう。
そうなると、ドレスや他のものに関しても、どうしても当たり障りのない無難な選択にならざるを得ません。あまり気が乗らないですよね。
ただ、物は考えようで、”正統派花嫁” を作り上げることに頭を切り替えればそれもまた楽しい作業。この機会にフォーマルを極めてみてはいかがでしょうか。
【披露宴に合うブーケ選び】
正統派ブーケ、見栄えのするブーケ、生花のブーケ
海外挙式後の1.5次会
【キーワード】セミフォーマル
ちかごろ耳にするようになった ”1.5次会” と言う言葉。
これは、披露宴と2次会の中間と言う意味合いでつけられたネーミングですが、主に海外挙式をされた方の帰国後パーティーとして活用されているようです。披露宴ほど堅苦しくないことが、1.5次会が受け入れられている要因のようですね。
そのような形式ですので、先にあげた披露宴形式よりもずっとリラックス。本当は着たかったカジュアルめなドレスも気兼ねすることなく着られます。
ブーケも同様。ちょっと冒険してみるのもアリだと思います。
【1.5次会に合うブーケ選び】
カジュアル〜正統派までOK、海外挙式で使用した造花ブーケの2次利用
友人中心の2次会
【キーワード】カジュアル
披露宴を終えた後の2次会はいってみれば打ち上げのようなもの。気分はすっかり開放されていることでしょう。
きっとドレスもカジュアルめなものが多いと思いますので、ブーケもガチガチにがんばって作った感じよりは、脱力系のサラッとしたブーケをオススメします。
また、立食形式が多い2次会は、ブーケを持つ時間も限られてくるはず。
そんな時に活躍するのが ”花かんむり” 。
花かんむりには、
・両手が空く
・花嫁さんがどこにいるか見つけやすい
・披露宴からのイメージチェンジに効果大
・ブーケに比べてリーズナブル
といったメリットがありますので、ぜひ候補に入れてみると良いと思います。



【2次会に合うブーケ選び】
カジュアルブーケ、造花ブーケ、花かんむり
会場別
披露宴を開く会場の規模によっても、選ぶブーケは変わってきます。
ホテルの場合
【キーワード】80名規模・広い空間・高い天井・屋内
80名規模の披露宴になると会場も広くなってきます。
高砂も一段上がり招待客との距離はちょっと遠め。。。
そんなシチュエーションの時はロングトレーンのドレスが一層映えますよね。
とすれば、ブーケにもその要素を反映させたいところ。
たとえば、ユリやダリアのような輪郭のはっきりとした大きなお花を使うと、遠目からでもわかりやすく見映えがします。
色合いも、たくさんの色を混ぜたりとかパステル系の淡い系統よりは、単色あるいはツートンカラーでメリハリをつけた色の方が主張が強くよく映えます。
ここでは、ダイナミックなブーケをオススメします。

【広い空間に合うブーケ選び】
大輪のお花を使ったブーケ、色の主張が強いブーケ、ダイナミックなデザインのブーケ
レストランの場合
【キーワード】50名規模・コンパクトな空間・低い天井・屋内
一方、50名規模のレストランウェディングでは招待客との距離はぐっと縮まります。
アットフォームな雰囲気で和気藹々とお食事中心の披露宴。
そんなケースでは、ドレスはシンプルでボリューム控えめなものを選びたくなるもの。
ショートトレーンやアンクル丈といったシルエットがフィットしそうですね。
となると、ブーケもそれに合わせてサイズダウン。
たとえば、リボン使いや葉っぱの曲線を生かしたデザインなど、ちょっとした ”細かい芸” を取り入れてみるのも一案。
そのほか色使いにこだわったもの・バッグ型などディテールに凝ったブーケなどは招待客の印象にも強く残ることでしょう。
レストランウェディングは、細部にこだわったオンリーワンのブーケが映えるシチュエーションです。



【コンパクトな空間に合うブーケ選び】
色使いや花使い・小物使いなどディテールにこだわったブーケ、バッグ型などの個性的なブーケ
ガーデンの場合
【キーワード】開放的な空間・屋外
このシチュエーションに合うブーケといえば、やはりナチュラルなスタイルのものが思い浮かびます。
技巧に偏ったものよりも、大きな画角に負けない開放的なものを選びたいところです。
ガーデンはなんといっても自然光が溢れるシチュエーション。
山・海・都会。
それぞれのガーデンロケーションにマッチしたナチュラルブーケがオススメです。


【ガーデンに合うブーケ選び】
シャンペトルブーケ、ドライフラワーブーケ、リース型ブーケ、ハワイアンブーケ、花かんむり
内装別
こだわって選んだ会場なら、その内装にもブーケ選びを反映させたいですね。
ラグジュアリー
【キーワード】シンプルモダン・リュクス・スタイリッシュ
たとえば外資系の一流ホテルなどがこのカテゴリーに当てはまると思います。
披露宴会場はもとより、ホワイエなどのパブリックスペースにも撮影ポイントはたくさん。
非日常的な空間の中では、颯爽としたブーケがより花嫁さんを引き立ててくれそうです。

【ラグジュアリーに合うブーケ選び】
スタイリッシュなブーケ、大きめのシルエットのブーケ
トラディショナル
【キーワード】クラシック・古民家・歴史的建造物
古民家や歴史的建造物での結婚式も人気があります。
首都圏では、小笠原伯爵邸や横浜の山手西洋館などが盛んのようです。
こういったところは非常に落ち着きのある佇まいですから、ブーケもその雰囲気に合わせてしっとりしたトーンの色合わせがマッチすると思います。
奇を衒わずにスタンダードなタイプのブーケが似合うことでしょう。


【トラディショナルに合うブーケ選び】
スタンダードなブーケ、落ち着いたトーンのブーケ
カジュアル
【キーワード】アンティーク・ガーリー・リゾート
最近流行っているのが、マルチスペースやインテリアショップ・撮影スタジオを披露宴会場にした結婚式。いわゆる ”オリジナルウェディング” 。ソファーコーディネートを用いたテーブルセッティングが人気です。
このように自由度の高い会場では、それぞれのコンセプトに合ったデコレーションができるので、ブーケもぜひそのコンセプトに合わせて決めていくと良いでしょう。



【カジュアルに合うブーケ選び】
コンセプトに合ったブーケ、造花ブーケ
今回のまとめ
以上、今回はシチュエーションを細分化してブーケ選びのヒントを集めてみました。
決まりごとであったり、TPOであったり、スケール感であったりと、それぞれのシチュエーションを一つひとつ分析していくと、ブーケ選びのヒントとなる要素がどこかに隠れているものです。
そんな要素を ”検証” として活用するのも良し、あるいは、どうしても欲しいブーケが思い浮かんでこない場合には、好みのブーケを手繰り寄せるきっかけにもなり得ますので、このような視点も備えておくと良いでしょう。
(つづく)