ウェディングブーケの種類|造花・アート・シルクフラワー
Q. ウェディングブーケを決めるにあたり、造花を選択肢のひとつとして考えはじめています。
いろいろ調べてみると、造花にはアーティフィシャルフラワーやシルクフラワーといった呼称があることを知りました。これらにはどのような違いがあるのでしょうか?
A. ご質問ありがとうございます。
そして、ご結婚おめでとうございます。
シルクフラワーは何でできている?
造花ブーケを調べていくと、おっしゃるとおり ”アーティフシャルフラワー” ”シルクフラワー” ”アートフラワー” といった言葉がでてきます。
「う〜ん、写真を見比べても何が違うのかさっぱりわからない」
一般の人には見分けがつかないことでしょう。
でも、それはですね、致し方ないことなんです。というか、わからなくて当然。
それもそのはず、”アーティフシャルフラワー” ”シルクフラワー” ”アートフラワー” には明確な違いはありません。つまり、ざっくり言ってしまえばどれも同じということです。
「え?シルクフラワーはシルク素材でできているんじゃないの?」
「いえ、シルクフラワーの主な素材はポリエステルです」
そうなんです。シルクフラワーはシルク(=絹)でつくられているわけではないのです。
近代造花のルーツ ”香港フラワー”
”香港フラワー” ってご存知ですか?
なにやら怪しげなネーミングですよね。
この香港フラワーこそが近代造花の原点なんです。
造花の歴史を紐解いていくと遥か紀元前まで遡るようですが、われわれの知る造花が日本の文化に流入したのは1960年代の前半になります。
1950年代にアメリカ全土で販売され始めた造花が、当時賃金の安かった香港を生産拠点にしていたことからこのネーミングがつけられたそうです。(すごいセンスです…)
この香港フラワーの素材はビニール製で、それまで日本で主流だった紙製の造花と違い、”水洗いができる” ”変色しない” ”安く大量生産ができる” ということから、「世紀の造花」というキャッチフレーズまで付けられブームとなりました。
はい、そうなんですよ。
われわれが抱いている造花に対するネガティブイメージって、この「世紀の造花」ビニール製の香港フラワーのことなんですよね。
ハイクオリティ造花の誕生
それはいまから遡る1976年のこと。高温高圧でポリエステル布地を成型するあらたな技法、 その技法を用いて花顔と葉に使い、いままでに存在しなかった世界初の新型造花が開発されたときのことです。
世界で初めてその新型造花を開発したマジックシルク社に敬意を表して「マジックフラワー」と名付け日本での販売を開始、日本の「花のある暮らし」を変貌させていくことになりました。
現在このタイプの造花がアートフラワー、シルクフラワー、フェイクフラワー、アーティフィシャルフラワーと呼ばれ世界中に普及しています。
香港フラワーは、それまで紙製を主にしていた造花に比べると飛躍的なメリットを享受することができましたが、大衆向けの安価な製品ということもあり見た目はオモチャのようでした。
今でも根強く残る ”造花=オモチャ” のイメージがここにあるわけです。
ところが、引用文にあるように、1970年代後半にそれまでビニール製だった素材はポリエステルに代わり画期的な技術革新が行われます。
そうなるとメーカーさんたちは、この新技術によって生まれ変わった非常に繊細で本物と見分けがつかないような製品を、オモチャのイメージがついた造花と並列させたくはなかったのでしょう。
造花のイメージを一新したいという想いが、”アーティフシャルフラワー” ”シルクフラワー” ”アートフラワー” という表現へ至ったのだと思います。
劇的花屋のこだわり?
造花ブーケの通販|劇的花屋では、 ”造花” という言葉を前面に出していますが、そのスタンスについては、近代造花文化の礎を築いた香港フラワーへのオマージュといった大仰なものではなく、そうかといって ”アーティフシャルフラワー” ”シルクフラワー” ”アートフラワー” などというふうに取り立てて表現に装飾を施す必要もないかなと思っただけのことです。
造花という言葉を避けるわけでもなく、造花という言葉にこだわりを持つわけでもなく、劇的花屋のポリシーとして ”お客様に喜んでいただけるデザイン性の高い商品を提供する” そのことをシンプルに追求していくことにフォーカスした結果でしかありません。
まとめ
ということで、ご質問者さまにおかれましては、 ”アーティフシャルフラワー” ”シルクフラワー” ”アートフラワー”、くわえて ”造花” の関係性には違いがないことをお伝えします。
ただし、品質にはピンからキリまでありますので、そのことは念頭においてお探しください。
ひょっとっしたら安いものには香港フラワーが混ざっているかもしれませんので、ご注意を(笑)
素敵なウェディングブーケにめぐり合えることを祈っています。