造花ブーケの通販を始めた理由|フラワーアーティストの私が驚いたこと
造花のブーケをご購入いただいた方から、嬉しいメッセージが届きました。
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先日、予定通りにブーケ届きました!
想像以上の仕上がりで、感動してます!
箱に仕舞っておくのがもったいなくて、付けていただいたブーケスタンドに飾って、眺めてはわくわくしてます。ブーケ一つでこんなにもわくわくするとは思ってもいませんでした。
彼も時々出してはブートニアを胸に付けて遊んでます。彼もわくわくしているようです。ありがとうございました!
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私は、今までフラワーアーティストとして、花を使った空間プロデュースや結婚式の装花、ウェディングブーケの制作をしてきました。




それらの仕事の場合、基本的にはナマのお花である「生花」をつかって制作を行います。
ウェディングブーケをご注文いただいた場合は、細心の注意を払ってお花を保護しながら、直接式場にお届けしておりました。しかし、
- 式場が遠い場合
- 挙式が海外の場合
- 急な依頼の場合
- 希望のお花に季節があわない場合
などの時は、残念ながらお客様のご要望に沿うことができず、ご依頼をお断りさせていただくことがありました。
生花のブーケには、生き物としての水々しさがあり、何ものにも代えがたい美しさがありますが、反面、生花は非常に繊細な生き物ですので、それゆえお客様のご要望に100%応えることができない場合がございました。
1通のメールがその後の人生を変えた
そんなある時、ある馴染みのお客様から1通のメールが届きます。
「こんな事を聞いては、失礼かもしれませんが・・・
和田さんは、造花でブーケを作ることができるのでしょうか?
来年のはじめに、海外挙式を考えているのですが、現地のサービスだと何が起こるか不安です。
とくに、海外ウエディングの場合は、ブーケのクオリティーが低く、元気がない花を用意されていたり、注文と違う花の種類でブーケが作られていることがあるようです。
できれば日本で信頼できる方に、納得がいくデザインで、造花のブーケをつくってもらい。飛行機の手荷物として現地に持ち込みたいと思っています。」
このメールを受け取った時に、私は考えました。
「もし、ここでメールをくれたお客様に対して、造花ブーケの取り扱いはしていないとお断りしたら、どうなるだろう・・・」
これまでは私は、生花のウエディングブーケしか作ってきませんでした。というよりは、生花のウエディングブーケ以外を扱うことは考えもみませんでした。
「生花の美しさをどのように活かすか?」
ただそれだけに注力をしてきました。
生花を美しく保つ・魅せるための技術は、フラワーアーティストとしてのキャリアそのものです。
しかし、劇的花屋のポリシー「贈るのは、ドラマです。」は、お客様にドラマを贈ることを大切にしています。私自身の妙なプライドは二の次と考えなければなりません。
「ここでお断りしたら、お客様がどれだけガッカリするだろう・・・・」
「逆に、ここで素晴しい造花のブーケを贈ることができたら、どれだけ喜んでくれるのだろうか?」
そのような事を考えていました。
ブーケを作るからには、造花とはいえクオリティーは、絶対落としたくないと考えました。
そこで、今回の件について、クオリティーを保証できる造花があるか調査をするため、お客様の了解を取り付けて時間をいただくことにしました。
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造花との出会い
私の知る造花は、「造花=チープ」というイメージです。
これまでも、決して造花に関わりが全くなかったわけではありません。ウエディングブーケ以外の仕事では、ケースバイケースで造花を使うこともありました。
ただ、それはもう随分と昔のこと。今の造花事情はまったくわかりません。
「きめ細かな生花をプラスティックで表現するには到底限界があるだろう・・・」そんな先入観を抱いたまま、調査に出かけました。
まず造花の調査をするために、都内の有名な資材屋にいきました。
まったく期待せず「見学」のつもりで行ったのですが、そこに飾られていた多くの造花のクオリティーの高さに、正直驚きました。
数種類の造花は、本当に顔を近づけないと本物なのか偽物なのかわからない程の出来の良さで、まるで生花のようでした。驚いたのはクオリティーの高さだけではありません。生花の切り花では到底扱えないような園芸品種や、繊細すぎて取り扱いが困難なもの、季節外のものがズラリ並んでいるのです。
「うわぁ、これがある!こんな品種も揃っている!」
私の中で、自然とテンションが上がっていきました。
これだけクオリティーが高ければ、いままでのノウハウを活かして美しいブーケを制作できます。これらの造花だったら、花嫁様に納得いただけるクオリティーのブーケをつくることができる。何より、私自身のテンションが上がったことに、造花ブーケの可能性に確信を持ちはじめました。
早速、その日のうちに数種類の造花を買って帰り、アトリエで造花のブーケを試作してみました。
造花ならではのクセはありましたが、その特徴を逆手にとることで、生花のブーケにはなかったような美しいシルエットのブーケに仕上げることができます。

さらに、造花のブーケには、見た目の美しさだけではなく、そのほかにも様々なメリットがあることに気づきました。
造花ブーケのメリット
季節によって花の値段が変わることがありません
生花の場合は、季節によって市場に出回る花が変わってきます。冬に、ひまわりの花を手に入れようとすると、非常に手間がかかり、値段も高額なものになります。造花の値段は、基本的に一定であり、花の種類が季節によって、変化することがありません。
仕入れの状況によって品質が左右されることがありません
生花のブーケの場合は、気温や湿度の変化によって、色合いが落ちてしまったり、しおれてしまったり、花が開きすぎてしまう危険性があります。
造花ブーケの場合は、管理に手間がかからないため、生花のブーケよりお値段が安くなるメリットもあります。
造花のブーケでは、制作をしたら、水を吸わせたり、室温の管理をせずに、美しい姿を保つことができます。このように枯れることがないため、結婚式後の2次会で転用することができたり、海外挙式などに利用ができます。
遠方にいる方に配送が出来る
遠方の方や時間が無い方には、インターネットの通販という形で、直接ご来店・打ち合わせに時間を浪費することなく、宅配便をつかい北海道から沖縄まで、写真と同じものを全国にお届けすることができます。
このように、今まで「所詮、造花でしょ。」と思っていたものを、あらためて見直してみると、様々な造花のメリットに気付くことができました。
隠れた「造花ブーケ」のもう一つのメリット
また、最初にご紹介したお客様からのメッセージで、さらにもう一つのメリットを見つけることができました。
それは、挙式当日前の早い段階から手元にあるという「安心感」と「ドキドキ感」です。
結婚式は、人生で一番の晴れの日です。その晴れの日が徐々に近づいてくる、いよいよ花嫁になるんだという ”ドキドキ感” ”ワクワク感” をおもいっきり実感させてくれるのが、ブーケだということに気づいたのです。
挙式当日前の早い段階から手元にあれば、鏡を見ながらシミュレーションをしてみたり、
あるいは旦那さんに見てもらったり、もっと極端なことをいえば、ブーケを決めたうえでドレスや髪型・会場のお花を選んだりすることができます。
このように、お客様からいただいたメッセージにより、新しい造花ブーケの可能性について気づくこともできました。
また、別の方へのアンケート調査では、(アトリエにご来店いただき、実際に造花ブーケを手にしてもらった感想)
・ブーケとしてではなくて、普通に家のインテリアとして欲しい
・軽いので持っていて負担に感じない
・傷がついたりする心配をしなくてイイ
・光がよく反射して、綺麗に見える
という回答をいただきました。
ただ、生花への憧れというのも当然あるようで、
・2個目としてだったら、記念にも残しておけるしイイかも
とか、それまでの私と同じように、
・実物をみると進歩に驚き抵抗感がないけど、どうしても「造花=チープ」というイメージがつきまとうので、ちがうネーミングにして欲しい
という貴重なご意見もいただきました。
※詳しくは、「お客様の声」を御覧ください
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最後に
あるお客様からの1通のメールがはじまりとなった造花ブーケへの取り組み。
そのことがきっかけで、造花の世界が一昔前に比べ革新的な進歩を遂げている現状を知り、実際に手にして胸が躍りました。そのうち、きっと匂い付きの造花や、季節によって花が開く造花、棘や、繊毛までりあるに表現できる造花も生まれることでしょう。
私自らが感じた「造花を手にして自然とテンションが上がった」この直感を大切にしていきたいと思います。
まだまだ、造花のブーケを販売し始めて日が浅いですが、生花と同じ情熱をもち、新たな可能性をさらに探求していけたらと考え、より多くの人にあらゆるシーンに応じて、お花を使ったドラマを贈りたいと考えています。
いままで、造花について、まったく知らない方がこの文章をお読みくださり、造花ブーケに少し関心が芽生えてきたということでしたら、ぜひ私が運営をする、造花ブーケの通販サイトをご覧になってください。
今までオリジナルのウェディングブーケを、長くつくってきたからこそできる、多種多様なデザインのブーケが、販売されています。
きっと、あなたにぴったりの、素敵なブーケに出会えることと思います。
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