ウェディングブーケを季節のお花で選ぶ

 

〜理想のウェディングブーケを手に入れる5つのポイント〜
point① 自分の好みを知る
point② ドレスに合わせてみる

point③ コンセプトに合わせてみる
point④ シチュエーションに合わせてみる
point⑤ 季節に合わせてみる
まとめ(もしくは はじめに)
付録:カラーコーディネートの基礎知識

 

Q. シャクヤクのブーケに憧れていました。10月に結婚式をするのですが大丈夫でしょうか?

A. グローバル化が進み人々の暮らしが便利になった世の中。
それはお花の世界にもいえることで、四季にとらわれることなく一年を通して世界各地からいろんなお花が手に入るようになりました。
しかしながら、だからといってなんでもかんでもOKというわけではありません。
やはりその季節にしか入手でき
ないお花は存在しますし、無理やり入手できたとしても品質が良くない場合があります。

シャクヤクのブーケは果たして10月の結婚式に可能なのか?
今回は、季節ごとの ”旬のお花” にクローズアップして話を進めていきましょう。

 

point⑤ 季節に合わせてみる

 

まず本題に入る前に、ここでは四季のサイクル及びお花の出廻り時期について、市場動向をベースにした私見で区分しています。あらかじめご了承ください。

 

春(1~4月)

【主な春のお花】
チューリップ・ヒヤシンス・ラナンキュラス・スイートピー・アネモネ・クリスマスローズ…etc.

春は一年中でお花の種類が一番豊富な時期。
実はお花の市場では、季節を先取りして12月から徐々に春のお花が入荷しはじめます。そして、年が明けて2月には最盛時期を迎え、卒業式シーズンとともに流通が減っていきます。
ですので、4月に結婚式をされる方は、春のお花には注意が必要です。

 

ラナンキュラス

ラナンキュラスのブーケ

 

種類豊富な春のお花の中でもとりわけ人気の高いお花が”ラナンキュラス”。
若い女性たちから絶大な支持を得ています。
近年ラナンキュラスの品種が爆発的に増えてきたのは、間違いなくウェディングを意識した消費者ニーズに応えてのことでしょう。

上の写真のブーケは、真ん中に位置しているネオンピンクのお花はバラですが、淡いピンクとクリーム色のお花がラナンキュラスです。

ミルフィーユのように折り重なる花弁の多さと柔らかで繊細な質感。
今やラナンキュラスは高級花のひとつに数えられます。

 

 💡 ラナンキュラスってどんな花?

科名:キンポウゲ科

原産地:ヨーロッパ、西アジア

花色:赤・白・黄・橙・ピンク・紫・緑など

花言葉:「魅力的」「光輝を放つ」「美しい人格」など

誕生花:1/20、1/29、1/30、1/31、2/18、2/25、3/2、3/6、3/20、5/10、5/25、6/10

 
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チューリップ

チューリップのブーケ

 

春のお花の代名詞といえばやはり ”チューリップ”。
カラーバリエーションが豊富なのはもちろんのこと、八重咲やパロット咲き・フリンジ咲きなど花弁の形状も実に多種多様です。

但し、チューリップの取り扱いで気をつけておきたいことがひとつあります。
それは、気温の上昇につられて花が開いてしまうこと。
室温の高いところに入ると、みるみるうちに花が咲いてきて満開になってしまいます。
そうなると、綺麗に形の整ったブーケが台無しに・・・

チューリップを使うときは、咲くことを前提にしたデザインにするか、もしくは咲かないようにあらかじめ細工を施すことをお薦めします。

 

💡 チューリップってどんな花?

科名:ユリ科

原産地:地中海沿岸、中央アジア

花色:赤・白・黄・橙・ピンク・紫・緑・黒など

花言葉:「おもいやり」「博愛」「美しい瞳」など

誕生花:1/21、2/16、2/20、3/6、3/8、3/14、3/20、3/22、3/29、4/10、4/16、4/22、4/26、5/13、5/17、12/11

 

 

スイートピー

スイートピーのブーケ

 

フリルのような形状をした ”スイートピー” は、バイプレイヤーでこそその特徴をいかんなく発揮します。
上の写真のブーケも、メインになっているお花はラナンキュラスとチューリップですが、スイートピーを入れたことで印象が随分違ったものになりました。
色のバリエーションも豊富なスイートピーは、可愛らしい雰囲気に仕上げたいときにオススメのお花です。

 

💡 スイートピーってどんな花?

科名:マメ科

原産地:シチリア島

花色:赤・白・黄・橙・ピンク・紫・緑など

花言葉:「永遠の喜び」「門出」「優しい思い出」など

誕生花:1/14、2/8、2/13、2/15、3/2、3/9、3/15、3/20、3/26、3/30、4/8、4/21、4/26、5/9、6/9、12/28

 

夏(5~8月)

【主な夏のお花】
スズラン・ビバーナム・シャクヤク・スモークツリー・ヒマワリ・ユリ・トロピカルフラワー・多肉植物…etc.

ここでの夏は5〜8月。5月は新緑がまばゆい季節でビバーナムやハイドランジアといったグリーン系のお花が盛んになり、また春に咲き終わった花たちが一斉に実をつける時期でもあります。実ものではティナスベリーやヘデラベリーなど青色のものが人気があります。
そして、注目の ”アノお花” もこの時期にカテゴライズ。

梅雨シーズン6〜7月にかけては”スモークツリー(花木)” がレアな花材として挙げられ、7月後半からはいよいよ夏本番。
リゾート婚の方には各種トロピカルフラワーをオススメできますが、それ以外の方にとっては選択肢がグッと減ってくる時期になります。
真夏の救世主となる花材は現れるか・・・

 

シャクヤク

シャクヤクのブーケ

 

さて、冒頭のご質問にあったアノお花 ”シャクヤク” の登場です。
シャクヤクの最盛期は5月になります。
市場では3月の後半くらいからちらほら見かけるようになり、5月後半をピークに6月中旬くらいまで出荷されています。

ただ、出始めのシャクヤクは、価格も高価な上に咲かずに終わってしまう危険性があります。逆に、出荷終盤時期のシャクヤクは、開花が早すぎて花弁がボロボロ崩れてしまう危険がつきまといます。

そう考えると、状態の良いシャクヤクを適正な価格で入手できる期間というのは、1ヶ月そこそこに限られてしまうわけです。

私の知っている花嫁さんの中には、「どうしてもシャクヤクのブーケを持ちたいから、結婚式の日取りをシャクヤクの出荷時期に合わせた。」なんていう人もいました。

 

💡 シャクヤクってどんな花?

科名:ボタン科

原産地:東アジア

花色:赤・白・黄・ピンクなど

花言葉:「恥じらい」「はにかみ」「謙遜」など

誕生花:2/8、4/24、5/8、5/13、5/14、5/16、5/18、5/19、5/24、6/16、7/24

 

ヒマワリ

ヒマワリのブーケ

 

春のお花の代表格がチューリップならば、夏の代表格は ”ヒマワリ” といったところでしょうか。
「好きなお花ランキング」で常に上位をキープする人気の高いお花です。

ヒマワリも品種がかなり増えてきました。
”ゴッホのヒマワリ” や ”モネのヒマワリ” といった名前を持つものから、こげ茶色をしたアンティークっぽいヒマワリまで多岐に渡ります。
ブーケを大人っぽい雰囲気にしたいときなんかは、このこげ茶色のヒマワリは良いと思います。

ヒマワリの特徴としては ”頭が重たい” こと。
軸がブレやすいのでワイヤリング加工やホルダー加工にはあまり向きません。
できるだけクラッチ加工にすることをお薦めします。

 

💡 ヒマワリってどんな花?

科名:キク科

原産地:北アメリカ

花色:黄・橙・茶など

花言葉:「私はあなただけを見つめる」「愛慕」「崇拝」など

誕生花:6/25、7/6、7/9、7/20、8/1、8/2、8/5、8/7、8/14、8/15、8/17、8/22、8/31

 

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多肉植物

多肉植物のブーケ
近年ブームになっている多肉植物。
お部屋のインテリアとしてよく見かけるようになりました。
ちょっと前まではマニアックな男性向け商材というイメージだったんですけども、今や若い女性にも人気を誇る ”真夏の救世主” です。

上の写真では、ブーケ本体中程に位置しているロゼット咲きの”エケベリア” と、だらりとジュエリーのような佇まいの ”グリーンネックレス” という2種類の多肉植物が紛れ込んでいます。

「あんまりお花お花した感じにしたくない」
というときなどに、多肉植物はとても良いアクセントになってくれます。

 

 💡 エケベリア(多肉植物)ってどんな花?

科名:ベンケイソウ科

原産地:中央アメリカ(主にメキシコ)、北アメリカ南西部、南アメリカ

葉色:赤、紫、緑、青緑など

花言葉:「穏やか」「優美」「逞しい」など

誕生花:1/19

 

秋(9~11月)

【主な秋のお花】
ダリア・バラ・実もの・紅葉・…etc.

秋シーズンは9〜11月としましたが、厳密に言うと9月のはじめ頃はまだ夏のあおりを受けて微妙な感じ。特に9月前半は十五夜や秋の七草といった季節行事の影響で市場に占める割合に和花が多く見受けられます。ウェディングブーケ向けの洋花類はそれほど活気づいていないのが実情です。

9月終わりの連休頃から本格的な秋のラインナップが出揃い、10,11月と一年で最も結婚式が多くなるハイシーズンに突入していきます。

ダリア

ダリアのブーケ
ダリアも非常に人気の高いお花。ついでにお値段も高い高級花です。
今回ダリアは秋のカテゴリーに入れましたが実際には通年入手できます。
秋以外では3,4月の春先が状態としては良く、涼しい時期でこそ安心して使えるお花です。
真冬はコスト高の影響で生産が減り、生育も遅いので立派なものは少なくなります。

高温多湿は苦手です。
夏の暑い時期、花弁が一枚剥がれ落ちるとドキドキします。
連鎖反応を起こしたように2枚3枚と剥がれ落ち、ついには原型を留めておけないほど落ちてしまうからです。

和装にも重宝するダリアは、やはり秋がベストシーズンといえそうです。

 

💡 ダリアってどんな花?

科名:キク科

原産地:メキシコ、グアテマラ

葉色:赤・白・黄・橙・ピンク・紫・エンジなど

花言葉:「華麗」「優雅」「感謝」など

誕生花:5/5、6/2、6/5、7/27、7/28、7/29、8/13、8/17、9/2、9/3、9/10、9/15、9/21、9/23、9/24、10/18、10/22

 

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バラ

バラのブーケ

 

”お花の中のお花”
女王クレオパトラがこよなく愛し、ナポレオン皇后ジョセフィーヌはバラの母と呼ばれた。

そんな ”キング・オブ・フラワー”であるバラは、ブーケ花材の中でもダントツの需要を誇っているでしょう。

そんなバラですから、入手は当然一年中可能です。
が、気をつけなければならないのは、状態の良い時期・悪い時期があるということ。

避けたい時期はズバリ夏。
夏のバラは 通称:夏バラ といって生育が悪いんです。
花のシルエットが小さくて花弁の枚数も少なく、そして、いわゆる ”おへそ丸出し” になっているものが目につきます。

バラにとってのベストシーズンは秋と春。
私個人的には特に色乗りの良い秋がオススメです。

 

💡 バラってどんな花?

科名:バラ科

原産地:中近東からアジア周辺、東アジア

葉色:赤・白・黄・橙・ピンク・紫・緑など

花言葉:「愛」「美」など

誕生花:1/16、1/19、2/10、2/25、2/28、3/25、4/11、4/29、5/14、5/15、5/16、5/28、6/1、6/4、6/17、6/19、7/14、7/15、7/23、9/26、11/27、12/9、12/15、12/25

 

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冬(12月)

【主な冬のお花】
春の花に同じ・クリスマス商材・ポインセチア・アマリリス…etc.

12月の市場はクリスマス一色。モミの木やポインセチア・バーゼリア・松ぼっくりなどが所狭しと店頭に並びます。
お花も赤色系の需要が圧倒的に多くなり、バラをはじめとしてガーベラ・チューリップ・カーネーションなど赤色系は軒並み争奪戦の様相。

 

クリスマス風

クリスマス風ブーケ

 

そのようなわけで、冬(12月)のオススメはお花の種類ではなく ”クリスマス風”。
この時期は、結婚式の会場となるホテルやレストランなども、おそらくクリスマスデコレーションが施されていることでしょう。

であるなら、抗わずに便乗してしまってもいいのではないでしょうか。
会場に設置してあるクリスマスツリーは自分たちのための装飾なんだと受け止めて、”ウェディング×クリスマス” を演出するのもアリだと思います。

 

 

今回のまとめ

今回は、季節ごとの ”旬のお花” にスポットを当てて話を進めていきました。
旬のお花のメリットは、なんといっても安くて質の良いものが手に入る、つまり理に適った選択といえるわけです。

私がこれまでお花の仕事をしてきて感じたことは、旬のお花は輝いているということです。
現代は季節に関係なくあらゆるお花が一年中手に入るようになりましたが、やはり旬のものは艶(つや)が違います。生鮮食品に置き換えて考えればおわかりいただけますよね。お花も同じなんです。

とはいえ、思い入れのあるお花をもつ人にとっては、季節に沿っていなかろうが欲しいに違いありません。そのようなときには、願いが叶うよう全力でサポートします。

ただ、お花が季節を感じるアイテムであることを考えれば、いつの日か写真を見返した際に、そこに写るブーケから当時の季節が思い出され、それをきっかけに話に花が咲くかもわかりません。
そのようなことも含めて、理に適った旬のお花を使うことは、理想のウェディングブーケを手に入れる重要な要素のひとつと私は考えています。

今回は主にお花屋さん目線で話を進めてまいりましたが、いかがだったでしょうか?

 

(つづく)